この世界には、そのままにしておくと広がってしまう「不条理」や「不公正」が多く存在します。

グローバルに経済のあり方を規定する資本主義にせよ、国家を基本的な構成単位とした民主主義にせよ、以前に比べればより多くの人びとがその恩恵を享受するようになったかもしれません。

しかし現在でもなお、目の前にある「仕組み」や「ルール」のもつ限界や矛盾に苦しむひとや、そのひとの力ではどうしようもできない「不運」に直面し、悩みを抱える方も少なくありません。

画一的な世界観や規範ですべての人びとを包摂することが難しい時代だからこそ、わたしたちは、それぞれのひとがそれぞれの仕方で存在することができる時間・空間を、ひとりひとりに寄り添った形で提供できる存在になりたいと考えています。

ケニア共和国の首都ナイロビに広がるスラム。その片隅に、AIDSに苦しみ、あとは死を待つだけとされたひとがいました。仕事につくこともできず、ただ暗い部屋の中で過ごすばかりの彼女が、心から慕っていたコミュニティワーカーに頼んだ買い物が、「新しくて、かわいい、くつ」。足場の悪いスラムで外の世界とつながるために必要不可欠な道具を届けたとき、彼女は少しだけ自分の世界を回復したように見えました。

あるいは、強い発達特性から学校にうまくなじむことができず、不登校の状態にある小学生について。学校ではイスに座っていることも苦痛だった彼でしたが、それでもいつも楽しみにしているのが週に一度の家庭教師の先生の訪問でした。学びを通じて新しい世界に触れるときの、彼の表情がとても明るかったことが印象的です。

ひとりひとりに対してゆるやかに立ち上がり、そこに存在すること自体が肯定されるような「世界」は、その形は一つではありえません。それはとても多様な姿をしていて、そうであるがゆえに、ひとりひとりにとって手触り感がある、そんな世界です。

そんな本人だけの世界を、ひとつひとつ、丁寧に立ち上げる存在になりたい。

株式会社ソシエテのミッションには、そんな思いが込められています。ミッションに共感した方、ぜひ一緒に働きませんか？エントリーお待ちしています。

「こんな軽い症状でこのサービスを使っていいんでしょうか」と不安そうに問い合わせをしてくださる利用者さんがいらっしゃいます。
これは「重い状態じゃないと使ってはいけないのではないか」という心理の表れであり、日本のメンタルヘルスサービスへの利用ハードルの高さを物語っているとも言えます。そんな方が勇気を出してコモレビに問い合わせてくださったことに感謝し、同時に「早めにメンタルヘルスサービスを使ってよかった」と思っていただくきっかけとなれることを嬉しく思っています。サービスを継続する中で、利用者さんの状況が目に見えて変化していくこともしばしばです。利用者さん一人ひとりが、ご自身にとっての「より良い生活」を実現する過程にご一緒できることに、やりがいを感じます。

コモレビとつながってくださった方が増えることで、メンタルヘルスサービスを早期に活用できる好循環を社会に生み出したいと思っています。精神疾患は決して遠い存在ではなく、ちょっとしたボタンのかけ違いで誰もがなりうる可能性がある疾患です。しかし、精神疾患に対する社会的スティグマやセルフ・スティグマはまだまだ根強く、メンタルヘルスサービス利用へのハードルが高い現状があります。メンタルヘルスに対する正しい知識が普及し、心の健康を考えること、そのために適切なサービスを利用することが当たり前になる社会を目指したいと思っています。

［プロフィール］
2014年より都立松沢病院にて精神科救急看護に従事。大学院進学を経て、2020年より同病院に復帰し急性期病棟に勤務。2021年より現職。京都府立医科大学・東京女子医科大学大学院卒（精神看護学修士）

コンサルティングやマーケティングなど大手のビジネスセクターで勤務されてこられた方々と、医療のプロフェッショナルが協働で社会課題解決に挑んでいるところが魅力ポイントだと思います。まだ小さな組織ではありますが、これからもっと多くの方にサービスを届けるべく事業拡大を目指していらっしゃいます。組織の成長を一緒に経験できるこのタイミングでの参画は、ソーシャルベンチャーで社会を変えることに加担したい！と考えている方には、とても面白いと思います。